この特集ページでは、各英文校正会社が提供するプレミアム校正(内容に深く踏み込んだ校正)について、サービス内容を比較しています。
各社のサービスを概観すると、
など、スタンダード校正から大きくサービスレベルを上げており、まさにプレミアムな内容となっています。
ただし、料金的にはスタンダードの約1.5〜2倍となってしまっているため、 投稿論文の経験・英語力、また予算によっては、スタンダード校正を検討したほうが良い場合もあるかと思います。
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サービス名 | 校正内容 | 校正者 | 単価/納期 (1500語) |
単価/納期 (4000語) |
単価/納期 (7000語) |
割引プロモーションなど | 消費税 | 校正の最低発注料金 | 支払いタイミング | 公費・科研費対応 | 再校正 | 単語数削減 | 投稿規定に合わせたフォーマット調整 | 参考文献のチェック | 英文校正証明書 | 付帯サービス | TeX/LaTeX | その他 |
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プレミアム英文校正 | 英語の文法や語彙のチェックだけでなく、研究論文の論理性や流れなど、論文構造に踏み込んだ校正を行う。 | 学術分野専門の英語ネイティブ2人 | 12〜24円 当日〜11営業日 |
10.5〜24円 当日〜11営業日 |
10.5〜18円 1営業日〜11営業日 |
紹介割引15%オフ | +10% | 無し | 後払い | ○ | ・365日以内の回数無制限の再校正(加筆・修正割合の制限なし) | 総単語数の20%まで | 〇 | 〇 整合性・正確性チェック(参考文献にリストアップされている文献が本文内で正しく引用されているかどうか、文献が実際に存在しているかを確認) |
〇 | ・校正者への質問サービス ・カバーレター作成 ・担当校正者の英文評価レポート |
TeX/LaTeXの直接校正可(追加料金なし) | |
アドバンス英文校正 | 英語の文法や語彙のチェックに加え、論文全体の構造をチェックし、論旨をより明確にするため、必要に応じて大幅な改変を行う。 | 学術分野専門のネイティブと別のネイティブ校正者の2人 | 11〜20円 当日〜12営業日 |
10〜20円 当日〜12営業日 |
10〜18円 1営業日〜6営業日 |
・新規利用者15%オフ ・600円~1500円相当の紹介割引(紹介者と紹介された方の両方) ・ポイントで割引可 |
不課税 | 無し | 後払い | ○ | ・365日以内の回数無制限の再校正(初回校正完了時の30%以内の修正まで対応) | 総単語数の20%まで | 〇 | 〇 投稿規定のフォーマットに準じているか、また、整合性のチェック(参考文献にリストアップされている文献が、本文内で正しく引用されているかどうか) |
〇 | ・校正者への質問サービス ・カバーレター作成 ・原稿評価カルテ(4ページ。校正対象原稿の単語数が1000語未満の場合提供されない) |
TeX/LaTeXの直接校正可(追加料金なし) | |
学術論文校正サービス | スペル、文法、語彙選択、文体のチェック等に加え、内容をより明瞭に表現し、文章の論理展開まで踏み込んだ改善を行う。また、原稿を改善するためのフィードバックコメントが付せられる。 | 学術分野専門のネイティブ校正者1人または2人(選択可) | エディター1人: エディター2人: |
エディター1人: エディター2人: |
エディター1人: エディター2人: |
3万語以上の注文で15%割引 | 不課税 | 1060円 | 先払い (公費は後払い可) |
○ | ・全体再校正:注文から21日以内・修正量が20%以内の原稿は30%割引価格で受付 | 総単語数の10%まで | 〇 | 〇 スタイルガイドに準じているかをチェック |
〇 | 校正者への質問サービス (3回まで) |
☓ | |
英文校閲レベル3 | 文法や表現等の修正に加え、原稿全体の構造・論点の組み立て等に踏み込んだ校正を行う。 | 校正者はアメリカ、イギリス、カナダ、オーストラリア出身のネイティブスピーカー。学術分野専門の校正者と別の校正者の2人が原稿を担当。 | 10円(5日~11日) スピードサービス3~5日(納期と原稿ボリュームにより追加料金+20~100%) |
10円(5日~11日) スピードサービス3~5日(納期と原稿ボリュームにより追加料金+20~100%) |
10円(5日~11日) スピードサービス3~5日(納期と原稿ボリュームにより追加料金+20~100%) |
学生割引(Full paperの場合、10%までの割引) | 不課税 | 9000円 | 後払い | ○ | ・原稿全体の再校正(5円/語)(原稿の語数が10%を超えると追加料金が発生) ・校正希望箇所の部分校正(10円/語) |
△ 単語数制限を満たすための、小さな削減は無料で対応可。単語数を大きく削る場合には追加料金が必要。 |
オプション (15000円/時間) |
オプション (15000円/時間) |
〇 | ・校正者への質問、修正点のチェックサービス | TeX/LaTeXの直接校正は× 正確にMSワードに変換しての校正は、追加料金+20%(PDF版とのクロスチェック含む) |
・クレジットカード及びPayPalの場合、+3%の追加手数料 ・銀行振り込みは国際送金となる ・医学・薬学の関連分野は20%の追加手数料が必要。 |
プレミアム校正 | スペル、文法、句読点、語の使用法に関する修正に加え、自然な文への書き換え、リフレーズ、文章の流れに踏み込んだ校正を行う。 | 学術分野専門の英語ネイティブ1~2人 | 37.16円 5営業日内 |
17.6円 6営業日内 |
12.29円 6営業日内 |
・毎回20~50米ドルの割引クーポン発行 ・友人紹介プログラム:40米ドルのクーポンコード(紹介した相手が、初めてAJEで英文校正を利用した場合) |
不課税 | 250米ドル | 前払い及び後払い可 | ○ | ・論文の出版まで制限無しの再校正(初回校正からの時間制限や修正加筆割合の制限なし) | △ 原稿全体についての単語数削減は行っていない。ただし、アブストラクトの単語数制限には対応可。 |
オプション 125米ドル |
オプションとしてフォーマット調整サービスに含まれる。 整合性チェック(参考文献にリストアップされている文献が本文内で正しく引用されているかどうか)また、投稿規定のフォーマットに準じているかをチェック |
〇 | ・校正者への質問サービス ・各学術分野において高い専門性をもつスタッフが、AJEの校正サービスや原稿内容に関する疑問点等に個別に回答 |
TeX/LaTeXの直接校正可(追加料金なし) | ・銀行振り込みでの支払いは国際送金となる(電信手数料25米ドルが別途加算される)。 |
このセクションでは、各社サービスの特徴、他社と比較した優劣のポイント等を記述しています。
専門分野のネイティブ2人による校正
加筆修正の制限無し、回数無制限の再校正
カバーレター作成・フォーマット調整無料
TeX/LaTeXの追加料金なし
エディテージのプレミアム英文校正では、超短納期での校正が可能となっており、4000語以内の論文であれば、当日22:30までに校正原稿を受け取ることができる(午後2時までの注文が必要)。スタンダードと同様、納期を細かく設定可能なため、時間的余裕のある場合には、長納期として校正料金を抑えることが可能となる。
また、比較表の中で唯一、デフォルトで専門分野のネイティブ二人による校正を提供しており、より専門性の高いチェックが複数回行われることになる。
回数無制限の再校正、フォーマット調整・参考文献チェック、カバーレター作成など、投稿論文を支援するサービスが一通りそろっており、特に論文投稿について経験の浅い研究者にとっては、経験の不足する部分をサポートしてくれるサービスとなっている。
また、プレミアム英文校正の上位サービスとなる「トップジャーナル英文校正」も用意されている。同サービスでは、投稿ジャーナルの好む文体・表現へと修正を行い、査読者経験のある校正者により、研究内容についてウィークポイントの洗い出しが行われる。初めての投稿先に不安な場合や、投稿前にレビュアー視点での評価を知りたい場合には、こちらの利用も検討に入れたい。
校正者二人が一つの論文を担当
回数無制限の再校正
カバーレター作成・フォーマット調整無料
消費税は不課税
TeX/LaTeXの追加料金なし
エナゴのアドバンス英文校正は、論文構造と論理の流れに踏み込む校正に加え、カバーレター作成、複数回のフォーマット調整、1年間回数無制限の再校正など、論文投稿に必要なものが過不足なく揃えられたパッケージとなっている。
一般的な納期の校正に加え、超短納期や、割引料金となる長納期プランも用意されている。超短納期の校正では、4000語まで当日納品、7000語まで1営業日以内の納品となり、比較表の中で最短クラスの納期となっている。長納期プラン(2週間)では、2-3営業日で納品する場合に比べて、1~2円安い価格で校正を行うことができる。ただし、同業他社の3倍以上の納期日数となるうえ、利用できる単語数も制限されているなど、使い勝手はあまり良いとは言えない。
また、アドバンス英文校正の上位サービスとなる「トップインパクト英文校正」がラインナップに追加されている。同サービスでは、言語的な校正に加え、専門的知見から研究内容を精査し、研究内容の質を向上させるためのコメント・アドバイスが行われる。追加オプションでは、インパクトファクター・トップ20誌の元査読者/編集者が、研究内容を含めた論文のクオリティチェックを行っている。高IF誌への投稿を考えている場合には、こちらも検討されたい。
プレミアムレベルの校正では破格の価格
消費税が不課税
再校正の受付期間が短く、割引率が低い
ワードバイスの論文校正サービスは、プレミアムレベルの校正にも関わらず、最安単価が5円と破格の価格設定となっている。他社の場合、10円以上が普通となっているため、半額以下の価格で論理展開に踏み込んだ校正を受けることができてしまう。また、海外法人のため日本の消費税が非課税となっており、単語数×単価が最終的な料金となる。
ただ、この価格は、他社にある様々なオプションを削り落としたことで実現しているため、自分に合っているか良く確認する必要がある。例えば、プレミアムレベルの再校正については、追加料金無料や大幅割引があるのが普通だが、ワードバイスの場合、20%以内の修正に限り30%引き(注文から21日以内)と、かなり控えめな設定となっている。また、最安単価は担当するエディターが1人、校正後の質問回数は3回まで、など様々な制限がある。サービスの全体的な内容としては、他社のスタンダード校正を多少削って、校正レベルを深くしたもの、といった感じだろうか。ただ、この価格帯で、論理展開に踏み込む校正を提供している会社は無いため、諸々のオプションが不要だという場合には、最良の選択肢となるだろう。
また、別途プレミアムオプションを選択することで、1年間回数無制限の再校正(20%までの修正)、20%までの単語数削減、校正者との質問回数無制限、といった内容を追加することが出来る。ただし、この場合には、10.5円/語(エディター1人)、13.76円/語(エディター2人)となり、他社に対する価格的優位は無くなってしまう。自分がどういったサービスを必要なのかをよく見極めて、エディター数・オプションを選択したい。
アメリカ、イギリス、カナダ、オーストラリア出身の校正者二人が原稿を担当
比較表の中では最安レベル
消費税が不課税
最低料金9000円
クレジットカード・PayPalでの支払いには+3%の手数料が必要。また、銀行振り込みでの支払いは海外送金となる
ユニ・エディットの英文校閲レベル3では、2人のエディター(原稿分野の専門:1人、学術論文専門:1人)により校正が行われる。どちらも英語ネイティブで、アメリカ、イギリス、カナダ、オーストラリアの出身者のみとなっている。校正では、文法・表現等の修正のほか、論点の組み立てなどの深いレベルまで改善が行われ、ネイティブが作成した高水準の論文と同程度までブラッシュアップされる。
校閲レベル2(7円/語)でも一般的なジャーナル投稿には問題がないレベルとなるが、高インパクトファクターのジャーナルに投稿する場合には、ユニ・エディットは校閲レベル3を推奨している。また、ジャーナル投稿した際に、査読者から英語の”major improvement”を求められた際には、原稿の立て直しにこのレベルの選択が適切となるとのことである。
他社プレミアム校正と比較して安価な価格に設定されているが、他社の付帯サービス(回数無制限の再校正・カバーレター校正・フォーマット調整など)が含まれていない、シンプルなサービスとなっている。そのため、再校正やフォーマット調整が必要な場合には、別途、追加料金が必要となる。(原稿全体の再校正の場合、5円/語で計算される。)
また、12円/語で「英文リライト」サービスが提供されている。このサービスでは、英語に大きな問題があったり、可読性が低いなどの原稿を徹底的に書き直す「石を金に変える(Turns stone into gold)」サービスとなっている。原稿の英語に自信のない場合や、スタンダード校正に出したもののリジェクトされてしまった場合などには、こちらの選択も検討に入れたい。
加筆・修正割合、回数制限なしの再校正
消費税が不課税
TeX/LaTeXの追加料金なし
フォーマット調整がプランに含まれない
小ボリュームの原稿では、他社に比べてかなり割高
AJEの英文校正は、大ボリューム原稿で超格安単価となっていたが、円安と料金改定により、過去のものとなってしまった。現在の料金システムでは、約1万語を超えた辺りで国内大手の単価に追いつき、それ以降は他社と同程度となっている。また、最低料金が250ドルに設定されているため、小単語数の場合には、他社と比べてかなり割高な料金となってしまっている。
料金的な面でメリットは無くなってしまったAJEだが、それでも以下のようなアドバンテージを持っている。
(1) 論文の出版まで無制限の再校正が可能
他社では、新規追加内容や修正割合に制限がかかることが多いが、AJEではそういった制限が無く、論文が出版されるまで再校正サービスを受けることができる。また、AJEの元エディターであるリサーチ・コミュニケーション・パートナーが、出版までマンツーマンの顧客支援サービスを提供してくれる。
(2) AJEはSpringer Natureグループ傘下にあり、Nature関連誌や高インパクトファクタージャーナルで推奨される校正サービスとなっている
著者が非英語ネイティブと見るや、「とりあえず英語をなんとかしろ」と脊髄反射的に言う査読者がいる中で、Nature Springerグループの校正を受けているというのは、こうしたコメントの抑止力として働くことが期待できる。(いずれ別のところで書きますが、査読者は英語ネイティブでないことも多く、こうした査読者のコメントのほうが、英文校正が必要だったりします。)
このようなAJEの特徴からすると、英語に自信がないか、ジャーナル投稿の経験が浅く、メジャーリビジョン・マイナーリビジョン等により複数回の再校正が想定される場合には、最適なサービスとなるかと思われる。